ブラックアウト
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パラグライダーは旋回中にブレークコードをグイーンと引き込むと、簡単にスパイラル状態になります。 かなりの勢いでクルクル回りながら降下していきます。 私の乗っているような中級グライダーだと、ブレークコードを戻すだけでスパイラルは終了して、普通に飛び始めます。
遠くから見ているとクルクル回っているだけなのですが、やってるパイロットにはかなり強い加速度がかります。 沈下率が10m毎秒のとき、パイロットにかかる加速度は3Gぐらいだそうです。 すこし大げさに書くと、体中の血が足の方にサーッと流れていく、そんな感じがすることもあります。
これで脳の血流が下がり、失神してしまうことをブラックアウトと呼ぶようです。 当然ですが操縦不能となって、墜落してしまう可能性もあります。
JHFレポート206号(2014年7月20日)にはブラックアウトの予防策として、①足を開いて伸ばさない、②息を大きく吐く、という2つの注意事項が掲載されています。
ヨーロッパには、G-Force Trainerという装置があって、地上にいながらスパイラルの加速度を経験できるようです。 残念ながら日本には導入されていないようです。
訓練された戦闘機のパイロットなら強い加速度にでも耐えられるでしょう。 一般の人が趣味として操縦するパラグライダーなので、予想外に低い加速度でもトラブルが起きてしまう場合もあるのかもしれません。 体力に自信の無い高齢者パイロットなどは、スパイラルをやらないのが一番だと思います。
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