最近ようやく普及しつつある、「ディジタル簡易無線機」を購入しました。 私のモデル(VXD-450S)は上空利用が許可されているバージョンなので、パラグライダーでの通信に使うことができます。
これまで特小無線機や、(ちゃんと免許を取って)アマチュア無線機を使ってきました。これらと違って、VX-450Sはアルミダイキャストのボディにしっかりと作ってあり、ずっしりと重い感じがします。思いっきり、 「業務用」という雰囲気です。
-総務省への登録作業-
ディジタル簡易無線は免許が不要ですが、総務省に「登録」が必要です。 無線機に同封されてきた書類を見ると、登録には2通りのやり方(包括申請と個別申請)があるようです。
(1)包括申請
複数台をいっぺんに登録できて、登録料は2900円。
STEP1: 登録申請用紙に記入し、返信用封筒を入れて、総務省に送る。
STEP2: 15日程度で総務省から書類が送られてくる。
STEP3: 実際に使う無線機のシリアル番号等を書いて送り返す。
(2)個別申請
1台ずつ登録する方法。 毎回登録料2300円です。
収入印紙を貼った登録申請書を一度郵送するだけで、総務省からの連絡はありません。
いろいろ調べていくうちに、第3の方法(電子申請)を発見しました。
それがネットによる電子申請です。
(3)電子申請
ネット経由で申請を行う方法で、登録料が一番安くて、1700円です!
しかも書類を印刷したり、封筒で郵送したり、という手間も省くことができます。 総務省としても、ディジタルデータの方が処理が確実で楽に違いありません。
そこで、「電子申請」することに直ちに決めました。 以下はそのときの記録です。
-電子申請の方法-
申請は下のホームページから行います。
http://www.denpa.soumu.go.jp/public/list/index.html#self
簡単そうにみえますが、いろんな設定をやらなければならず、恐ろしく面倒です! 大きくはStep1~Step3の3段階なのですが、それぞれ大変です。 大ざっぱにポイントを下に書き出してみました。「
Step1: 電子申請の準備
Step 1-1:
公的個人認証サービスを使って個人認証ができるようにセットアップします。
私のパソコンには、確定申告のために「JPKI利用者ソフト」が既にインストールされていたので助かりました。
インストールされていない場合は、こちらの手続きに従ってください。 また住民基本台帳カードと、カードの読み取り装置、住民基本台帳カードを登録したときのパスワードも必要になります。
Step 1-2: Webブラウザの設定
Webブラウザの、JAVAスクリプトを有効にして、クッキーの設定をします。 また信頼済みサイトの追加設定を行います。 (詳細はそれぞれリンクをクリックしてください。)
Step 1-3: 証明書の取得とインストールです。
こちらから、アプリケーション認証局の自己署名証明書をダウンロードしてインストールします。
(ポイント: Internet Explorerを使った方が良いです。 Chromeでは上手くいきませんでした。)
Step 1-4: 環境設定プログラム
JRE(Java Runtime Environment)が使えるように、こちらから環境設定プログラムをダウンロードして実行します。
残念ながら私の場合、環境設定プログラムが動作しませんでした。 (32 bit版の Windowsなら動作したと思います。) そこで手動設定を行いました。 JREをインストールして、その後で証明書をインポートします。 この手続きは、こちらに記載されています。
Step2: 新規ユーザ登録
総務省のホームページにログインして、新規ユーザ登録を行います。 初期パスワードはメールで送られてきます。
Step3: 申請・届け出
こちらのサイトにアクセスすると、下のアプリケーション一覧がでてきます。 このうちの下から2番目(登録局インターネット申請)をダウンロードしてインストールします。
インストールが上手くいくと、下のようなJAVAプログラムが動くようになります! これを使って、ようやく届け出を行うことができます。 左側のメニューを選んで、それぞれ項目をインプットしていきます。
専門用語が一杯飛び出しますが、メゲないで頑張りましょう。 例えば周波数と空中線電力は、次のようにインプットします:
30チャネル使える無線機(DJDPS50、IC-DPR3、VXD-450R等)
- 351.2MHz~351.38125MHzまでの6.25KHz間隔の30波、 空中線電力5W
5チャンネルしか使えない無線機(上空用:VXD-450S)の場合
- 351.16875MHz~351.19375MHzまでの6.25KHz間隔の5波、 空中線電力1W
識別符号などの情報は、無線機本体の裏側に記載されています。 (電池ケースを外せば確認できます。 )
- 識別符号: 2から始まる9桁の番号
- 適合表示無線設備番号: 4桁目と5桁目が「TV」と書かれている番号です。
- 製造番号: シリアル番号です。
-完了~メール確認-
Step3の手続きが完了すると、総務省からメールが届きます。 おめでとう! ようやく総務省に到達しました!
* 申請・届出 到達のお知らせ *
○○○○ 様
問い合わせ番号 S20130930-00 の申請・届出につきまして、
システムに到達致しましたのでお知らせします。
。。。
- 登録から一週間経って –
その後、何も音沙汰がありません。 総務省の「電波利用 電子申請・届け出システム」にログインして、状況をチェックしてみました。。
チャンと受付されていて、「受付手続き中」となっていました。 どうやらもう少し待つようです。 すこし不安になってきました。 本当に受付されているのでしょうか?
-登録から 2週間経って-
やっと総務省からメールが届きました。
○○○○ 様
申請が受け付けられましたので、申請手数料の電子納付手続をお願いします。
申請手数料の問い合わせ番号は S20130930-00 です。
注) 本メールに記載の「問い合わせ番号」だけでは、電子納付手続きは行えません。
■ 手数料の電子納付手続について
申請手数料の電子納付手続は、「ペイジー(Pay-easy)」という仕組みに対応した金融機関のインターネットバンキング、またはATMから行ってください。
電子納付手続に際しては、以下3つの番号(納付情報)が必要になります。
1.収納機関番号
2.納付番号
3.確認番号
。。。。
-手数料の納付-
やっと本題の、「電子納付」にたどり着きました。 メールに「納付情報が必要になる」とありますが、記載されていません。 再度総務省のホームページにログインして、検索をかけます。
すると下の画面が現れるので、ここから Pay-Easyで振り込むことができます。 フゥ!
-無線局登録状が届いた-
さらに一週間経って、総務省から郵便で届きました、「無線局登録状」です。 A4一枚の紙ですが、これで電波法違反に問われることを防いでくれる、大変ありがたい登録状であります。
有効期間は5年間で、期間満了の3ヶ月~1ヶ月前までの間に、「無線局再登録申請書」を出さなければなりません。 総務省からの案内は無いということなので、5年後に気をつけないと行けませんね~。 (登録状に同封されていた紙には、「無線局登録状は大切に保管してください」と書かれていました。 )
- 感想(コメント) –
たった1700円の支払いをするのに、どうして、どうして、こんなに大変なんだろう~ という素朴な疑問で頭の中が一杯になってしまいました。
ディジタル簡易無線は、だれでも購入することができるのです。 アマチュア無線機と違って、試験を受けて合格した人達を想定している訳でありません。 当然、ディジタル簡易無線のユーザは無線のことを知らない人達です。
ところが。。。。電子申請システムは通常の無線局と同じ情報をインプットさせられます。 周波数、空中線電力、占有周波数帯幅という用語が飛び出すのです。 必ずしも全てに記載しなくてよいのですが、入力画面は次々と現れるので、殆どの人が戸惑うことでしょう。
素人を想定した無線機なのですから、素人が簡単に登録できるように、専門用語は使わないで貰いたいです。 本当に必要な情報って、機器のシリアル番号だけなのではないでしょうか? ここは総務省の方々に、是非早期の改善を望みたいです。
またセキュリティ管理が超・オーバースペックです。 どうして住民基本台帳カードまで持ち出して新たなユーザIDとパスワードを発行してもらわなければならないのでしょうか? どうしてセキュリティのために暗号署名書のインストールまでやらなければならないのでしょうか? インターネットショッピングで100倍以上高額の物を買っていますが、こんなに厳重なセキュリティを求められたことはありません。 こちらも、総務省の方に改善を期待したいです。
それでも購入できたディジタル無線機は出力が高く、雑音も無くて使いやすそうです!